Monday, June 30, 2014

The Advantages of Democracy 民主主義の利点・欠点を考える

 エジプトのクーデターは再び民主主義について考えさせられます。

 アメリカやイギリス、フランスなどの国々にとっては、民主主義以外は駄目なシステムであり、民主主義は唯一の救世主です。

 しかし、民主主義とは一意に定義できるものでもなければ、設計図があり、仕様通り"製造"する事出ません。

 ただ国民に選挙権を与えて、大統領を選ばせるだけでは物事は自然にうまく行くこともありません。

 エジプトだけではなくて、アフガニスタンやイラクなど、実際の例はいくらでもあります。(2014年6月29日追加、イラクは今内戦状態になってしまった。アメリカによってフセイン政権を倒して、「民主主義」政権を作り上げてからです。)

 一言で言いますと、どんなシステムでも所詮政治の道具に過ぎません。いわゆる政治はまた権力か権利の商売道具に過ぎません。

 Wikipediaによると、「民主主義(みんしゅしゅぎ、デモクラシー、英語: democracy)とは、国家や集団の権力者が構成員の全員であり、その意思決定は構成員の合意により行う体制政体を指す。日本語では特に政体を指す場合は民主政(みんしゅせい)とも訳される。日本語の広義の「民主主義(みんしゅしゅぎ)」は上記の体制・政体をも指すが、狭義ではこの民主制・民主政を他の制度より重んじる主義(思想・運動)を言う「=民主制主義」。」

 アメリカの在日大使館のホームページではより簡潔で具体的に定義してあります[6]。その先頭には、「民主主義とは、市民が直接、もしくは自由選挙で選ばれた代表を通じて、権限を行使し、市民としての義務を遂行する統治形態である。」と述べてあります。

 参考リンク[10]によると、「現在の日本の政治システムは、例外的なケースはあるものの、原則として間接民主主義を採用している。」だそうです。つまり、それに対して、直接民主主義という形もあることです(18世紀まで民主政治とは直接民主制を意味した[13])。一方、観客民主主義手続民主主義という分類もあります[12]。

 しかし、参考リンク[7]で述べられているように、この「民主主義」を正しく理解している人は少ないし、「民主主義」という用語を乱用しているケースも沢山あります。このような状況下で、民主主義国家としてはたして成り立つかどうかは甚だ疑問です。

 ウエブ上で、「民主主義」+「利点」というキーワードで検索してみたところで、利点について語るヒットは少なく、むしろ欠点について熱弁する結果は多くみられます。一部は社会党のような政党からの意見[8]を除いても、否定的な意見は多いようです。参考リンク[9]には特に様々なソースからの観点をまとめてあります。発見できた唯一の[15]で述べられた利点でも、人によっては賛同できかねないものにもなるでしょうけど、反対意見だって、また「反対」する人もいるに違いありません。

 常識的に考えると、反対意見・文句を言うのは、正論を述べるよりはるかに気楽なものです。否定的な意見を述べる人に、「じゃあ、どうすればよいでしょうか」と聞いても、これっという意見は戻ってきません。

 このように、これだけ難しいことですので、「完璧」なシステムはとても考えられないでしょう。しいて言えば、他のシステムよりマシであろうとは言えるかもしれません。それでも、それを理解できていない人がどんどん増えていくと、逆に他のシステムより悪いものになり兼ねないので、気を緩められないものです。

 個別の意見はいいとして、まとめると、以下の意見は散見されます。
利点[1,15]
権力者を有権者によって交代させられる
国家の意思決定に直接かかわることができる。
常に最新の民意を反映できる。
制度の構造が単純。制度が歪められる余地が少なく、正当性を保ちやすい。
欠点[3,4,11]
軸がぶれる
メディア等の情報操作
自由主義世界では、国民が「自由」に疲弊し、自己決定権を放棄する場合がある
あくまで決定する手段であって、必ずしも多数派が正しいわけではない
衆愚政治に陥る致命的欠点がある[11]

 参考リンク[1]では、直接と間接民主主義について以下のように述べてあります。
1.1. 間接民主主義のデメリット

  1. 有権者は人を選ぶことはできても、政策や法を選ぶことはできない。議員や首長は、公約を掲げて立候補するが、公約は必ずしも守られないし、また選挙前に公約していなかった政策を実行することもある。その結果、有権者は選挙に関心を失い、投票率は下がり、民主主義は形骸化する。
  2. 他方で、公約を愚直に守ることも、常に正しいとはかぎらない。選挙のときに必要で有益だった政策が、環境の変化によって不必要ないし有害になることがある。これは、選挙が数年に一度しか行われない間接民主主義では民意をリアルタイムで反映することができないことによる弊害である。
  3. 議員や大臣や首長の権力が大きいので、彼らと特定集団との癒着が起きて、特定集団への利益還元を目的とした政治、権力の私物化が行われやすくなる。換言するならば、政治家と個人的なコネがないサイレント・マジョリティが政治から疎外され、国民全体の利益を重視した公平な政治が行われにくい。
  4. 権力を掌握するには過半数の議席が必要なため、政権交代を可能にするには、二大政党制が最適である。二大政党は、幅広い支持を得ようとするあまり、八方美人的になり、政策的な違いがなくなる。政権交代を可能にし、有権者の選択の自由を増やすはずの二大政党制が、逆に有権者の選択の自由を奪ってしまう。
  5. 間接民主主義では、権力が民意から離れて独裁的になることを防ぐために、国政では二院制、地方自治では二元代表制が採用されているが、両者の間で勢力のねじれが生じると、政治が決定能力を失って、機能不全に陥る。他方で、両者が同じ勢力に支配されると、二つある意味がなくなる。

1.2. 直接民主主義のデメリット

  1. 有権者全員に、すべての法案を審議する能力があるとはかぎらない。日本人の場合、識字率はほぼ100%であるが、全員が政治や経済に精通しているわけではない。少なくとも、判断能力には差がある。判断能力がある人間にもそうでない人間にも平等に同じ一票を与えると、全体の判断力が低下する。
  2. 議論は、参加者の数が増えるほど困難になる。すべての有権者が立法に従事すると、法案が乱発され、すべてを審議することが、それどころか読むことすら不可能になる。審議に値しないような法案が大量に作られる一方、重要な法案が日の目を見ないまま埋もれてしまう可能性がある。
  3. 間接民主主義では議員の数が少ないので、議員たちは豊富な政治資金を集めて政治活動に専念できる。直接民主主義では、一人当たりの政治資金の配分がほぼゼロとなり、政治活動はボランティアになる。有権者が政治活動に割くことができる時間はわずかになるので、政治が素人的になってしまう。
  4. 直接民主主義では、間接民主主義よりも意見の集約が困難であるため、政策が一貫性を欠く可能性がある。リアルタイムに民意が反映されることは長所でもあるのだが、それは同時に、政策が時間とともに不安定に変動したり、矛盾する政策が同時に実行されたりするリスクを増やす。
  5. 間接民主主義では、政治家は、自分の選挙区あるいは国民全体の利益を考えて政治を行うが、直接民主主義では、有権者たちが利己的な動機で投票することが多いので、多数派の利益は守られやすい反面、少数派の利益は無視されやすくなる。つまり、数の暴力が横行する。
個々の意見と主張を総合してみると、ひとつだけ確実にいえます。つまり、どんなシステムでも絶対的なものはありません。民主国家の基本は憲法だとされていますが、日本で言うと、「違憲だ」や「違憲ではない」だとかいう議論は国のレベルで繰り返されているし、いつまでたってもはっきりした結論に至らないです。アメリカで言いますと、NSAのCSNETによる盗聴問題についても、違憲か合憲かの議論はあります。それについては、合憲だといっても、さすがにやりすぎという認識があるせいか、データの管理について民間に移管するように検討されているそうです(Obama calls for change to NSA's bulk phone record collection)。以下はオバマ大統領の演説の一部です。
I believe critics are right to point out that without proper safeguards, this type of [telephone metadata bulk collection] program could be used to yield more information about our private lives and open the door to more intrusive bulk collection programs in the future. They’re also right to point out that although the telephone bulk collection program was subject to oversight by the Foreign Intelligence Surveillance Court (FISC) and has been reauthorized repeatedly by Congress, it has never been subject to vigorous public debate.
I believe we need a new approach. I am therefore ordering a transition that will end the Section 215 bulk metadata program as it currently exists and establish a mechanism that preserves the capabilities we need without the government holding this bulk metadata.

参考リンク
  1. 議会制民主主義のいいところ魚拓キャッシュ
  2. 自民党の大勝であらためて実感する民主主義の利点魚拓キャッシュ
  3. 民主主義の欠点と言えば?(魚拓キャッシュ)
  4. 民主主義の悪いところ魚拓キャッシュ
  5. 民主主義は死んでるけど、資本主義は超元気魚拓キャッシュ
  6. 概要:民主主義とは何か魚拓キャッシュ):アメリカの在日大使館のホームページ
  7. 民主主義=多数決ではない魚拓キャッシュ
  8. 議会制民主主義の諸問題について魚拓キャッシュ):社会党の志位和夫氏による
  9. 民主主義とは国民が政治に参加する最悪の方法である魚拓キャッシュ
  10. 民主主義はどうあるべきか魚拓キャッシュ):永井俊哉氏による論文
  11. 民主主義の意味を分かりやすく教えてください魚拓キャッシュ
  12. 観客民主主義と手続民主主義魚拓キャッシュ):青山貞一氏による論文
  13. 民主主義は理想の制度ではない魚拓キャッシュ
  14. 間接民主制直接民主制(Wikipedia)
  15. 直接民主制の長所と短所魚拓キャッシュ
  16. 憲法は国家権力に歯止めをかけて、個人の人権を保障すること魚拓キャッシュ

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