Tuesday, August 28, 2012

Non-Tuberculous Mycobacteria 肺MAC症

    NHKの番組で初めて聞いたので調べてみました。どうも近年特に中高年女性を中心に急増しているそうです[3]。感染ルートが不明で、症状も明確ではない[8]、有効な治療薬がないのは実に恐ろしい病気です。数年(5年以上)前の調査でも、罹患率は約 5.7(人口 10 万対)だそうです[7]。何も、つい最近の1,2年の話ではありません。
     「非結核性(非定型)抗酸菌症」は、結核菌に類似した性質をもっているが、毒力は弱く、重症化しにくい細菌である非定型抗酸菌による呼吸器感染症のこと。最近は非結核性抗酸菌症と呼ばれることが多いが、行政的には定型の結核に対する意味で、「非定型抗酸菌症」(NTM症、Non-Tuberculous Mycobacteria)という表現が使用されている[1],[2],[4]。また、多くの菌種(20種程度)、イントラセルラーレ菌、アビウム菌、カンサシ菌などがある。一般に毒力は弱い)があるが、もっとも多いのが肺MAC(マック症)で全NTMのほぼ70%を占め、次いでカンサシ(MK)症が10~20%程度と推定されている。
    肺MAC症では咳、痰などの呼吸器症状を呈する場合もありますが、症状は無くても偶然に検診で胸部レントゲンやCT(シーティー)検査で異常を指摘されたり、以前から指摘されていた影について原因を調べているうちに診断されることもあります。気管支に病変を作るので、病気の重さとは関係なく血痰が出ることもあります。結核症でよく認める発熱、寝汗などの無いことが多いですが、病気が進行すると咳や痰に加えて全身倦怠感や体重の減少(たとえば1年で5kg)を認めることがあります。しかし肺MAC症に特徴的な症状はありません[5]。
    [6]によると、「NTM are widely distributed in the environment, particularly in wet soil, marshland, streams, rivers and estuaries.」つまり、NTMは自然に広く存在するもので、特に湿った土や湿地、渓流、川と河口に多く存在するらしいです。幸いなことに、動物から人間、あるいは人間同士への伝染はないそうです。面白いのは、「先進工業国」により多く分布している事実[6]です。やはり、エイズなどのように、自然からの「罰」ではないでしょうか。
    [3]の研究では浴室、特に追い炊きタイプのものから感染しやすいのではないというそうですが、また一般的に認められているわけではないようです。
    治療も、病巣の切除(術前後の化療は必須)は主体で、完治よりは病状のコントロールしかできません。

参考リンク
  1. 非結核性抗酸菌症・非定型抗酸菌症・結核・MAC・肺マック症キャッシュ
  2. 非結核性抗酸菌症 (NTM症)
  3. 肺MAC症 中高年女性急増 浴室が主な感染源か
  4. 非結核性抗酸菌
  5. 非結核性抗酸菌症|慶應義塾大学病院 KOMPAS
  6. Nontuberculous mycobacteria
  7. 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議-公知申請への該当性に係る報告書(案)---- エタンブトール塩酸塩。非結核性抗酸菌症の適応追加
  8. 肺非結核性抗酸菌症の外科治療

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