Tuesday, September 18, 2012

Punishment for Illegal Download 違法ダウンロード罰則化とは

    「海賊版」と知りながら音楽や動画をインターネットからダウンロードする行為に「2年以下の懲役、または200万円以下の罰金」を科す改正著作権法が国会で成立した。10月1日から施行されます[1]。その経緯は以下の通りです[3]。
  • 2010年から著作権法改正により 違法コンテンツをダウンロード することが違法になりました。
  • 2012年6月15日に リッピング違法化+私的違法ダウンロード刑罰化法案 が可決されました。
  • リッピング違法化、違法ダウンロード刑罰化の施行日は 2012年10月1日 から施行されます。
    「本来は有料の音楽や動画を、海賊版と知りながらパソコンや携帯端末に保存する行為(ダウンロード)。以前は私的使用目的なら合法だったが、平成22年1月から違法とされ、今回の改正で罰則が設けられた」そうです。以前はい的使用目的ならば合法だったのも可笑しい話ですね。
    しかし、曖昧なところも沢山あります。「ダウンロードの定義が明確にされていないことから、「動画の再生だけで摘発される可能性もある」」[1]。さらに、違法ダウンロードした本人を特定するのは難しい上に、違法ダウンロードをプロバイダ(接続業者)が特定するにはすべてのアクセスを手当たり次第に調べる必要があります。それに、「プロバイダからのアクセスログ(記録)の提出は令状に基づいて行われ、捜査機関がネットへ過剰に介入する懸念、プライバシー侵害への懸念は当たらない」という声もあるようです。
    また、「今回の著作権法改正では、市販DVDやゲームソフトなどで不正コピー防止のために施された暗号化を解き、パソコンに取り込む「リッピング」も違法となった。購入した映画DVDを自分で楽しむためにパソコンに取り込み、コレクションするような行為も違法となる。施行は10月1日で、罰則は設けられていない。」[1]。
    罰則は設けられないなら、法律を作る意味は何でしょうね。違法としていれば自然にしないでほしいという期待は分かりますが、人間って大体それでは動じないことも大いにあります。罰則があっても、知っておきながらする人さえ大勢いるのに、罰則がなければ、それこそない同然ですね。国民の税金をもらっておきながら、こんな無用なことをしていかなるものでしょうか。
    この法律の真の目的は「別件逮捕しやすくなる」という説もあります[2]。
とある事件を起こした人物がいたとしよう。その人物宅のパソコンを警察が押収したら「私的違法ダウンロード刑罰化法案」に抵触するファイルが数多く出てくるはずだ。そこで別件逮捕、立件が可能となる。
    日本弁護士連合会会長からは以下の声明がありました[5]。
    当連合会は、昨年12月15日付けで「違法ダウンロードに対する刑事罰の導入に関する意見書」を取りまとめ、違法ダウンロードはコンテンツ産業の健全な成長を阻害するおそれのある由々しき問題であるとの認識を持ちつつも、直ちに刑事罰を導入することに対しては反対の意見を表明した。
    その主な理由は、


 ①私的領域における行為に対する刑事罰を規定するには極めて慎重でなければならないところ、私人による個々の違法ダウンロードによる財産的損害は極めて軽微であり、未だ刑事罰を導入するだけの当罰性ある行為であるとは認識されるには至っていないと考えられること、②違法アップロードに対する罰則規定の活用や著作権教育の一層の充実など、他により制限的でない違法ダウンロード規制手段が存在すること、 ③ダウンロードを民事上違法とした平成21年改正著作権法の適用の実態を見極める必要があること、などである。
    それにもかかわらず、「違法ダウンロード刑罰化」を含む改正著作権法が成立したことは、誠に遺憾である。

参考リンク
[1] 違法ダウンロード罰則化へ 境界あいまい「摘発より抑止」
[2] ダウンロード禁止法の恐ろしい本当の目的とは?--パソコンの中身から別件逮捕しやすくなる
[3] 違法ダウンロード法(禁止法)まとめWiki
[4] 違法ダウンロード刑事罰化 罰則規定をわかりやすく
[5] 「違法ダウンロード刑罰化」に関する著作権法改正についての会長声明。日本弁護士連合会会長からの発言です。
[6] 【あなたも明日から犯罪者?】違法ダウンロード刑事罰化基本まとめ

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