Monday, April 17, 2023

脂質異常症の治療薬の安全性

一番有名な脂質異常症治療薬はスタチン系薬です。

ウェブ上でちょっと検索するだけで、必要性や安全性についての結果は沢山出ています。

その殆どは安全論です。副作用についての説明があっても数行で終わり、大して心配することはないと言っています。

[1]は、「スタチンは、人類史上最もヒトの死亡を減らした薬の1つと言ってもいいくらいの画期的な薬です。」とまで言い切っています。


因みに、同記事によると、「脂質異常症は元々は「高脂血症」と呼ばれていましたが、日本動脈硬化学会が2007年に新しい指針を打ち出し、その時に「脂質異常症」と呼び方も変えられました。」

さらに、「現在予備軍も含めれば、日本全国に3000万人もの患者がいると推定されており、これが本当なら日本人の4人に一人は「脂質異常症」ということになります。」

「「スタチン」とは、HMG-CoA還元酵素というコレステロールを合成するために必須の酵素を競合的に阻害する働きをもつ薬剤の総称であり、コレステロール(特にLDLコレステロール)の血中濃度を強力に低下させる作用を持っています。」(このHMG-CoA還元酵素阻害剤を発見したのは遠藤章(東京農工大学特別栄誉教授)という日本人)

ここからは気になる内容です。

2004年から2005年以降は、企業と利益相関のない研究者により行われた研究では、全ての論文で「確かにスタチンはLDLコレステロール値を下げたが、心血管疾患予防には無効であった」と報告されています。現在でも、複数の論文の結果を統合し、網羅的に解析するメタ解析(meta-analysis)という手法により作成された研究論文によれば、「スタチンが心疾患予防に有効」と結論づけられていますが、これらのメタ解析には、製薬企業側との利益相反のある2004年以前の論文で示された結果も含まれているため、決して鵜呑みにはできません(Lipid Technology.2014;26:55-9)」

さらに、さらに、以下の論点もある。

スタチンは細胞毒である!
スタチンはむしろ動脈硬化を促進する!?

何がどうであれ、少なくとも生活習慣で改善て着るものならば、薬に頼らない方は一番でしょう。重度の糖尿病と違って、逆もどりできない症状ではないですから。

スタチンはむしろ動脈硬化を促進する!?という記事には、スタチンの副作用について詳細な説明がありました。

「(1)禁忌
スタチンは妊婦に対する投与は禁忌です。特に,家族性高コレステロール血症(FH)女性の治療中に問題となります。服用している間に妊娠した例では,催奇形性が考えられるため(文献1),直ちに投与を中止します。
(2)スタチン全般の重大な副作用
横紋筋融解症ミオパチー肝障害血小板減少症末梢神経障害過敏症状間質性肺炎などが挙げられます。
。。。
自覚症状として消化器症状(胃部不快感嘔気便秘など)などが挙げられます。また,検査値異常として肝機能異常発疹CK上昇などが指摘されています。スタチンに特異的なものはなく,一般的な薬剤性の変化と考えられます。」

文献リスト
1) Morton S, et al:Curr Opin Obstet Gynecol. 2013;25(6):433-40.
2) Sasaki J, et al:J Atheroscler Thromb. 2006;13(3):123-9.
3) Swerdlow DI, et al:Diabetologia. 2014;57(12):2433-5.
4) 日本動脈硬化学会, 編:動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症治療ガイド2013年版. 日本動脈硬化学会, 2013.

「その中で、患者がスタチンを中止した理由について書かれています。(図はUSAGE調査のホームページより)

上の図はスタチンを中止した理由について示しています。横軸の中止理由は、左から副作用、コスト、有効性(の欠如)、その他、わからないまたは覚えていない、です。そうすると62%とダントツで副作用で中止した人が多いのがわかります。薬の値段のコストは17%、有効性を感じないという理由は12%と非常に少ないことを考えると、いかに副作用で中止した人が多いか、ということです。」

さらに、

「この調査の回答者の10人中3人は、筋肉痛や筋力低下の副作用を経験し、34%は医師に相談せずにこれらの副作用のためにスタチンの使用をやめました。つまり、実に3割の人が筋肉の副作用を経験しているのです。
 しかし、例えば「クレストール」というスタチンの添付文書には、臨床試験での筋肉痛の副作用な3.2%、CPK上昇は1.6%であると書いてあります。また使用成績調査ではCK上昇2.3%、筋痛1.4%と書いてあります。つまり、添付文書に書かれている筋肉の副作用の割合は現実の10分の1程度しか起きないような書き方です。非常に大きなギャップです。」

スタチンの副作用についてはウェブ上調べて見ました。

参考リンク[3]の日経メディカルの記事によると、スタチンは以下のような副作用があるそうです。それぞれはどのような人に、どの程度あるかは分からないです。しかしそのリストを見るだけでも、なるべく薬に頼らず、自然療法で体質を改善すべきだと思うでしょう。

主な副作用
筋肉痛 、 CK上昇 、 無力症 、 皮膚そう痒症 、 発疹 、 蕁麻疹 、 腹痛 、 便秘 、 嘔気 、 下痢 、 関節痛

重大な副作用
肝機能障害 、 AST上昇 、 ALT上昇 、 ミオパチー 、 広範な筋肉痛 、 高度脱力感 、 著明なCK上昇 、 免疫介在性壊死性ミオパチー 、 近位筋脱力 、 CK高値 、 炎症を伴わない筋線維壊死 、 抗HMG−CoA還元酵素抗体陽性 、 抗HMGCR抗体陽性 、 重症筋無力症 、 眼筋型重症筋無力症 、 全身型重症筋無力症 、 重症筋無力症悪化 、 眼筋型重症筋無力症悪化 、 全身型重症筋無力症悪化 、 黄疸 、 多形紅斑 、 横紋筋融解症 、 脱力感 、 血中ミオグロビン上昇 、 尿中ミオグロビン上昇 、 急性腎障害 、 重篤な腎障害 、 肝炎 、 血小板減少 、 過敏症状 、 血管浮腫 、 間質性肺炎 、 発熱 、 咳嗽 、 呼吸困難 、 胸部X線異常 、 末梢神経障害 、 四肢感覚鈍麻 、 しびれ感 、 感覚障害 、 疼痛 、 筋力低下

上記以外の副作用
頭痛 、 浮動性めまい 、 肝機能異常 、 蛋白尿 、 腎機能異常 、 BUN上昇 、 血清クレアチニン上昇 、 苔癬様皮疹 、 女性化乳房 、 膵炎 、 口内炎 、 筋痙攣 、 健忘 、 睡眠障害 、 不眠 、 悪夢 、 抑うつ 、 代謝異常 、 HbA1c上昇 、 血糖値上昇」

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参考リンク



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