国立循環器病研究センター、
循環器病情報サービスによると、
心室性期外収縮は「
徐脈」と「
頻脈」とあわせて、「
心不全」の症状です。別の言い方ですと、「
脈が飛ぶ」ことです。
さらに、「 「期外収縮」は本来、電気の生じる場所以外から早めに刺激が出てくるために起こる現象です。この刺激が心房から出る場合には
心房性期外収縮、心室から出る場合は
心室性期外収縮と呼ばれます。」
因みに、心臓が脈動する基本的な仕組みは以下の通りだそうです。
心臓は筋肉でできた臓器で、その筋肉にかすかな電気が流れて興奮し、動く仕組みになっています。
心臓の上の方にある「洞結節」というところで電気がつくられ、電気の通り道(これを「伝導路」と呼びます)を通って、心臓全体に流れ、筋肉が収縮するようになっています。
脈が飛んでも、自覚症状がない場合が多いが、出ると、
脈の飛ぶ感じや、胸部の不快感、きゅっとする胸の痛みとして感じます。ただし、この時の痛みは胸の狭い範囲で起こり、しかも一瞬または数十秒以内でおさまるのが特徴
心房の中で電気が空回りして、脈が速くなる状態を「
心房細動」というそうです。同センターのサービスの「心房細動といわれたら - その原因と最新の治療法」によると、「心房が小刻みに動き、けいれんするような病状」です。また、「心房細動の主な原因が肺静脈からの異常な電気興奮であり、それらを起こす大きな原因が加齢であること」。
定義から考えると、 心室性期外収縮は心房細動とは別物です。
看護roo![カンゴルー]の「心室期外収縮」によると、「期外収縮(extrasystole)とは,期待されるタイミングより早期に,異常な電気的興奮が発生して起こる不整脈です」。また、「常な電気的興奮の発生部位によって,上室期外収縮(
premature supraventricular contraction:心房期外収縮および房室接合部期外収縮),心室期外収縮(
ventricular premature contraction)の2種類に分類されます」。
さらに、「上室期外収縮は
心房細動に移行する可能性がある(基礎疾患を調べることが重要);
心室期外収縮の重症度の高いパターンでは,
心室頻拍や
心室細動に移行するものもある」。つまり、重症になると、以下の病変がありえます。
上室期外収縮 -> 心房細動
室期外収縮 -> 心室頻拍や心室細動
同看護roo!によると、
一般的に危険性の高い不整脈ではありません.しかし,心筋梗塞,心筋症,弁膜症などの基礎心疾患を有する患者に出現することが多く,その場合には基礎疾患の治療が必要です.また基礎疾患を認めない健常者でも,自律神経活動のアンバランス,睡眠不足,喫煙,過度のアルコールやカフェイン摂取によって期外収縮が誘発されます.
つまり、期外収縮の元原因は睡眠不足,喫煙,過度のアルコールやカフェイン摂取などです。
そういう意味でも、過労や、過度の喫煙は飲酒は間違いなく健康を壊す行為です。
技術的には、同看護roo!によると、「心房期外収縮(premature atrial contraction)は,
P波(心房の興奮波)が
洞調律よりも早いタイミングで出現します」。
心室性期外収縮の分類はLown分類があります。また同看護roo!によると、
Lown分類(ろーんぶんるい)とは、不整脈の1つである心室性期外収縮(PVC)の重症度を分類する方法である。心電図の所見に応じてグレード0~5の7段階に分けられる。
■grade0 :心室期外収縮無し
■grade1 :散発性(1個/分または30個/時間以内)
■grade2 :散発性(1個/分または30個/時間以上)
■grade3 :多形性(期外収縮波形の種類が複数あるもの)
■grade4a:2連発
■grade4b:3連発
■grade5 :短い連結期(R on T現象)
グレード3以上になると心室細動誘発の危険性が高くなることから、救急治療が必要とされる。
つまり、
心電図に
多形性(期外収縮波形の種類が複数あるもの)の波形あると、
救急治療が必要です。
自分で心電図をとりたい人は、オムロンの携帯型心電計「
HCG-801」や、ECGラボの「
チェックミーライト(Lite)」、パラマ・テックの「
携帯心電計 EP-202」などを購入できます。
期外収縮の原因は物理的なもののほかに、「心因性(自律神経系)」もあるようです。
Yahoo!知恵袋によると、
更年期障害、ストレス、過労、(疲労蓄積)、肥満、酒、タバコ、カフェイン、睡眠不足、脂質異常、など思い当たることがなければ、自らの努力による対処法(自律神経のバランスを取り戻す)が大切です。自律神経の興奮は血管を収縮させ、動悸や不整脈の原因に繋がります。
更年期における不整脈と動悸の関係については、「更年期に突入すると、男性女性ともに様々な体の不調を抱えることが多いとされていますが、不整脈や動悸もそのうちに一つだとされています。」と述べています。
男性ホルモン低下と男性更年期障害(LOH症候群)によると、テストステロン(男性ホルモン)の減少は、狭心症、動脈硬化、高血圧などのリスク増加につながります。
同様に、
動悸(胸が痛い・心臓がバクバクする)|男性更年期(更年期障害)の症状によると、
男性ホルモンの分泌が減少することによって、ホルモンバランスが崩れ、心臓の脈拍を調整する役割も担う自律神経が乱れます。
自律神経が乱れることによって、動悸や息切れ、脈が早まるなどの症状が起きてしまうのです。
つまり、繰り返しですが、男女とも更年期になると、心室性期外収縮が起こりやすくなることです。
軽い期外収縮は、健康に害がほとんどないため、治療対象になりません。病院にいっても、
抗不安剤や
睡眠導入剤を処方される程度です。